2003年
卯月(うづき)

四月二十九日【火】

 最近テレビを見ている、と言ったら、面白いからといって半ば強制的に
「Matthew's Best Hit TV」というビデオを見せられることになった。
 どういう番組構成になっているのかはよく知らないが
とにかくその回のゲストは南野陽子だった。
 いくらあたしが芸能界に疎いと言っても
彼女のことを「なんの」と呼ぶことくらいは知っている。
そして「南野は生意気だ」と言われて週刊誌などでたたかれていた
こともかすかな記憶として残っていた。
 そのうち番組は南野陽子の若い時のCMやらドラマを
流しはじめた


「スケバン刑事」


知ってる知ってる!見たことあるある!
しかしなんてバカげたドラマだろう…。
今の若者風な言い方をすれば「ありえへ〜ん」というストーリー展開。
だが、あのありえないばかばかしさこそがあのドラマの命だったのであろう。
なんで未成年の学生が警察やねんとか、
なんでヨーヨーで闘って勝てるねんとか、
とにかくつっこみどころに事欠かない番組だった。

ほとんど水戸黄門というか、ホントに水戸黄門をパロディ化
して作られたらしい。
こういうドラマは単発ものにすると荒唐無稽な話しだと、
散々にけなされてバカにされるのがおちなのだが、
ヨーヨーをパカンと開けて警視庁の御紋を見せるところなど
毎週見ることによって妙な安心感が生まれてくる。
毎週決まり切った型を見て楽しむところは 遠山の金さん、
水戸黄門などと共通しているもので、
遠くさかのぼれば、歌舞伎の見得に、そのよりどころをもとめられるのではないか。
そして、もう少し広く解釈するなれば仮面ライダーの変身、
ウルトラマンの3分間タイマーなども
含まれるのでは?とわたしは考える。
まさしくこれは日本の古典芸能にそのよりどころをもとめられるものなのである。(笑)でもホントだと思う。

ちょっと学術的な?話になったが、ではスケバン刑事に代わるドラマは今無いのか。
「スケバン刑事」は何作か続いてようだが、それに代わるドラマ…。

あたしが希望するにはその名も「競パン刑事」。
もちろん主役は今をときめくブッキーこと妻夫木聡をのぞいて他は考えられまい。
ゴーグルを武器に悪党連中と体をはって闘うのだ。
ある時はゴーグルで敵の首を絞め。ある時はゴーグルを投げつけ敵の持つナイフをたたき落とす。
そしておもむろにジッパーを下げ競パンに縫いつけられた警視庁のマークを見せつける。
 視聴者は、あっ、今日はちょっと右寄りだったの
鈴口の形がわかっただの、今日はいやに膨張気味だったの、とマニアックな見方を楽しむのだ。
 なぜ競パンをはいてるのだとか、なぜわざわざズボンをおろすなどという質問は受け付けない。
その質問をするならまずスケバン刑事に聞くべきだろう。

競パン刑事、なかなかいい響きだ。
と、何度も心の中で繰り返しているうちにスケバン刑事という代わりに思わず競パン刑事と言ってしまいそうになった。
ノンケたちを前に「競パン刑事」と言ってしまうのは非常にキケンだ。
しかし競パン刑事の第二作目の「スケパン刑事」(banじゃなくpanよ)を思いついたとき、
さらにキケンだ!と思ったが、よく考えればこっちの方が実は危険度はないのだと気が付いたのだった。(笑)

四月二十二日【火】
 
 職場に誰かが何を思ってか”ベタ”という熱帯魚を持ってきた。
そう、口から呼吸ができる魚で、ガラスコップでも飼えることで知られているあの熱帯魚である。
よく図鑑とかでのっているとおり、やはりコップに入れて机の上に置いてあった。
 しかしよく考えてみれば気の毒な魚である。
コップでも生きられるからと言って身を翻すこともままならない小さなコップに入れられて飼われているのだ。
水中の酸素に気を使わなくていいからと水草さえも入れられていない。
少々水が濁ってようが平気らしいから水もあまり換えてもらえない…。
要するにこんなとこでも生きられるというイッパイイッパイの所で飼われているといってもいい。
 よく、こいつはキツい部署でもやっていけるから行かせてやろう、とか、
かなりの仕事を押しつけても文句も言わずにやるからやらせておこう、とか、
職場とかでもよくありそうな話である。

 ネットで調べてみたところ、「水質にはあまりうるさくなく(環境への適応力が強い)、
活発に泳ぎ回ることも少ないので、
比較的小さな容器でも飼うことができます。」とあった。
しかし、本来流れの少ない水草の多い所に住んでいるので
水草ぐらい入れてやって欲しいものだと思う。
いくら動きの少ない魚だといっても一回りできるくらいの入れ物に
入れてやって欲しいものだと思う。
 

 コップに入れられて売られているのはオス同士だと縄張り争いのため死ぬまで闘うからというのもあるらしい。

ネットで調べたらいろいろ面白いことがわかった。
・必要な酸素の60%位を空気から直に摂取するため、水面を塞ぐと酸欠に陥り、溺れ死ぬことがあるらしいこと。
ベタはオスとメスを一緒の水槽で飼うことはできないこと。(やっぱり闘っちゃうらしい)
・ベタには闘わない種類のものおり、このような、同種に対しても温厚なベタを、
ピースフルベタと呼ぶこと。
 
 もしベタにホモがいたら、相手に近づいていって殺されちゃうのね(悲)
 来世、もしあたしがベタに生まれ変わったら、
きっとピースフルベタよね。(笑)
 

四月十七日【木】

 昨晩は楽しい夜になるはずだった…。
だって、最近はまってるゴリエの、ワンナイのある日だったんですもの。
十時になってさぁみようとテレビをつけたところに、ピンポーンというチャイム。
そうだったわ、出入りの業者が頼んでいたブツを持って来るんだった。
仕方なく録画の段取りをして応対。
早く帰ってくれればいいけど結構しゃべりなのよね、こいつって。
なんだかんだしゃべっているうちパソコンの話になって実際ネットの便利さを見せることになった。
だいたいPCを見せるのって非常に危険なので躊躇したんだけれど、ちょっとだけならいいかって
見せてしまった。
これが失敗。
なんかの拍子にInternet Explorerをうっかり閉じてしまったので、もう一度開いたのよ。
当然のごとく、HOMEのページがでてくるわよね。
みなさんはどこのサイトをHOMEにしていらっしゃるのかしら?
あたしの場合、王子の雫…。
ご存じの通り、最初のページには「このサイトはゲイに関する内容を扱っています。」
とでるわけです。
あわてて他のページを開こうとしたけれど、あわててばたばたしてので、
かえって目立ってのぞき込まれてしまった…

 別にこの年になって独身なんだから、多かれ少なかれ怪しいと一度は思われたことがあったはず。
それはそれでいいし、ゲイだと知られてもそれはそれでいいかとも思う。
でも、こんな形で知られるのって悲しい…。
知られるのならもっと堂々と知られたかった。知らせたかった。
でも、こんな形で知られるのってなんだかみじめ…。

落ち込んだ気分を取り直そうと、録画していたビデオを見ようとしたら録れてなかった。
録画されていたのは砂嵐。
自分の気持ちを見ているようで、さらに落ち込んだ。

仕方なくテレビにしたら、藤原紀香演じるアート引っ越しセンターの女社長のドラマをやっていた。
舞台は大阪の下町。
昔付き合っていた男が住んでいた町が映っていた。
そういえば、あのあたりを自転車二人乗りして走っていたっけ。
それにしても、やっぱり紀香は可愛いわ。
ゴリエも好きだけど紀香も好き。
紀香だったらsexはできないだろうけど結婚してもいいかしら。
いや、一回くらいできるかも…。
などと、馬鹿なことを考えていたら少し気を取り戻した。(笑)
結構繊細なくせして(ホントよっ!)こういうことに関しては比較的おおらかというか楽天的。
これが20代だったらもっと落ち込んでたでしょうね。
みんなも同じだろうけど、いつもはホモで何が悪いのよ!と強気で元気でも、ふと傷つくとき時があるのよね。
映画「プリシラ」でプリプリのドラッグクイーンたちがバスに差別的な落書きをされて落ち込んだように。

でも、落ち込んでばかりいられないわ。
あたしも人生楽しまなきゃなんないんだから(笑)
一晩寝れば昨日そんなことあったわねぇってかんじね。
あたし(たち)が何したって言うのよ!
男のちんぽ吸って乳首レロレロしてるだけじゃないのよ!ぷんぷん

あっーすっとした。(おわり)











四月六日【土】(うづき むいか )

 今日はまたケツに長いものをぶち込まれました。
といってもおてぃんではなくて「ファイバー」。
Japaneseで言やぁ「内視鏡」だわさ。
しかし「内視鏡」って「おまえのケツん中、これで覗いてやるゼ」ってかんじで
すんごく卑猥。
まぁ、口から入れる胃カメラも内視鏡なんだけどね…(笑)

 今日この検査をやったというのは、先々月腸炎を起こしたその後の様子うかがい。
もう、腸の方はすっかり調子いいんでやりたくなかったのよね。
入れられるのはともかく(笑)、2gもの水(下剤?)を飲むのがくるしいのなんのって。
2,3時間かけて腸の中をすっかりキレイにしたんだけど、
これってシャワ浣じゃ駄目なのかしら?
シャワーじゃ奥まで洗えないっていうのならぶっといホースでも我慢するわ(笑)

 今日は2回目とあって余裕もありというもの。
前回全然痛くなかったし…。
しかし…。
今日は痛いしやたら時間かかるしこれってどういうこと?
どうやら、施術する技師は若い見習いみたいな奴だったみたい。
ちょっとイケてたから許してやったものの、あれがゲロゲロブスだったら承知しないわよ!!
もうブッ●ロしてたかも?
前回のベテラン技師(超イケてない奴だけど)の時は全然違和感なかったのに、
今日ったら腹の中を虫が這い回ってるみたいに脇腹とか胃の下の辺がもぞもぞするわ、
痛いわでどうしようもないの。(涙)
しまいにはにっちもさっちもどうにも動かせなくなったみたいで、
隣の部屋からベテランが出てきて指導する始末。
(あんたあたしを練習台にするつもり?)
妊婦が激痛に耐えるために?青竹握るって聞くけど、
青竹代わりにあんたの青い竿握らせなさいよ!って施術中に真剣に思いましたわ。
下手なために潤滑ゼリーをたっぷり注入されるわ、塗りたくられるわで、
終わったらおケツの周りはゼリーまみれでした(悲)
こんなにニュルニュルならこのままお竿を入れてくださるかしら?
と思ったけれど、よく考えてみればあたしって「ネコ」じゃなかったんだわ(笑)
そのわりには内視鏡がすーっと入ったりしたけど…??